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T I/E AR ~ティアー~ Diary

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肝臓・膵臓

P237~ 肝臓

肝臓
○色素沈着
*リポフスチン沈着:加齢性、消耗性に肝細胞やクッパー細胞に出現する、黄褐色(PAS染色)顆粒。

*ヘモジデリン沈着
・ 血鉄症:溶血性疾患に伴い、クッパー細胞・内皮細胞・肝細胞に沈着。
・ 血色素症:血清中のCa2+の過多により、全身に鉄由来色素顆粒が沈着。

*黄疸:眼球結膜、粘膜、皮膚、および内臓が黄色を帯びる。
1. 肝前性黄疸(溶血性黄疸)
 循環血液中で重度の赤血球崩壊、溶血がある場合、肝でのビリルビン摂取―抱合処理がその増量に及ばなくなり、主に遊離型ビリルビンが血液中に貯留し黄疸が起こる。
 赤血球寄生原虫病、溶血性細菌感染、馬伝染性貧血などで見られる。

2. 肝性黄疸(肝毒性黄疸)
肝細胞自身に機能障害がある場合に、肝細胞内でのビリルビン処理過程が妨げられ、血液中にビリルビン貯留が起こる。
肝細胞に直接作用して変性および壊死を引き起こす外来性毒性物質あるいはウイルス性感染によって起こる。

3. 肝後性黄疸(閉塞性黄疸)
胆道の通過障害による胆汁のうっ滞の結果により起こるもので、吸収性黄疸とも言う。
組織学的には毛細血管あるいは細胆管の拡張と胆汁栓を認める。
腫大した肝細胞による毛細胆管の狭窄、吸虫などの寄生虫による肝内外の胆管の閉塞などが原因としてあげられる。

○ 循環障害
・ ニクズク肝(別名:慢性うっ血肝)
 うっ血と細葉中心帯(小葉辺縁域)の脂肪変性であり、辺縁帯(小葉中心域)には凝固壊死が見られる。

・ 肝臓原発の腫瘍は肝細胞癌と胆管癌の2種に大別される。

○ 肝炎
* 肝炎の形態学的特徴
1  肝細胞の変性・壊死
2  クッパー細胞の肥大増殖
3  類洞内にリンパ球、好中球、単球が浸潤している
4  充血/うっ血
5  あるウイルスにおいては封入体形成
        ⇒感染肝という

・ 感染肝の特徴は循環障害と肝細胞の退行性病変(変性・壊死)、類洞内皮・クッパー細胞活性化、(類洞内に)炎症細胞の浸潤である。

解説37 犬伝染性肝炎
犬アデノウイルス1の感染によって起こる犬の伝染性疾患であるが、ワクチン接種の普及によって発生は激減した。感染した犬の多くは不顕性感染で終わるか、軽度の発熱と扁桃炎の発症後に自然治癒する。死亡に至る発症例での肉眼的変化は、血液を混ずる腹水・胆嚢壁の膠様水腫・肝臓の腫大・水腫による角膜の白濁・消化管粘膜の出血など多彩である。組織学的には肝臓の壊死巣内の血管内皮細胞・クッパー細胞・壊死による崩壊を免れた肝細胞の核内にCowdry-A型の好塩基性封入体が認められる。

*馬伝染性貧血では肝臓に大理石(ニクズク)様紋理を形成するが,これは顕微鏡的にはリンパ系領域における(クッパー)細胞浸潤である。

解説36 牛の肝膿瘍
Fusobacterium necrophorum 感染(壊死桿菌症)または非特異的要因による肝膿瘍で、肉牛の生産病。濃厚飼料の多給によりルーメン内細菌叢が変化し、胃粘膜のバリアを傷害する。第一胃から門脈を介して肝膿瘍(被包化膿瘍)を形成する。

解説35 肝硬変
慢性うっ血性線維症。広範囲な肝細胞壊死に始まり、特徴的病像は偽胆管・偽小葉形成であり、さまざまな肝疾患の終末像である。

・特殊型肝硬変(肝線維症):再生や改築が欠如している。うっ血性肝硬変、胆汁性肝硬変、寄生虫性肝硬変など。

・ 牛で多発する寄生虫性肝硬変の原因体は肝蛭で、肝硬変と、寄生部位での胆管炎が見られる。


膵臓
・各種酵素により、死後変化(自己融解)が早い。

○糖尿病:インスリンに関連する、持続型糖質代謝異常。
I型・・・インスリン依存性糖尿病(IDDM):インスリン分泌能の低下に起因。
自己免疫と遺伝的素因果関係。
II型・・・インスリン非依存性糖尿病(NIDDM):インスリン感受性の低下に起因。
                    遺伝的素因と後天的要因(生活習慣)が関係。
他に、脾臓組織の破壊による、二次性糖尿病もある。

・急性膵炎:犬、猫、馬に報告される、急性膵壊死。膵酵素による膵臓実質の壊死・出血、脂肪組織の壊死が種々の程度に組み合わさっている。


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